子育てというのは自分の思い通りにはいかないもので,仕事の方が実際楽だと思います。身体的に大変だという問題はもはや乗り越えることができない壁です。こちらに関しては以下の記事を参考にしてください。身体的につらい場合は考え方を変える程度ではどうすることもできないと思うので。
夫婦だけで育児することが難しいがゆえに住む場所が重要 - いつか朝日が昇るまで
さて今回は以下の本の「子育てがラク~になる,ちょっとした考え方」をご紹介します。繰り返しますが,これはちょっと考え方を変えるだけでイライラが収まるという程度のものなので,肉体的,精神的につらい場合はしっかりと助けを求めることをお勧めします。
言うこと聞かない!落ち着きない! 男の子のしつけに悩んだら読む本
- 作者: 原坂一郎
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2010/11/18
- メディア: 単行本
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実際にそれが起こってから悩む
「○○になったらどうしよう」の9割は起こらない
「心配ごと」のというのは,自分の心の中に勝手に起こしているものです。架空のものなのです。
(中略)
実際には起こりもしないことに,ハラハラしたり心配したりするのはバカらしいとは思いませんか?それでは心がいくつあっても足らなくなります。実際に起こったものだけに心を費やし,悩んだり対処法を考えたりすればいいのです。(152-153頁)
確かに親としてはいろいろなことを心配しますよね。特に最近では情報過多ですし,子どもの人数が少なくなったことで一人の子どもに手をかける時間も増えました。いらぬ心配をしてしまうなんてこともあるでしょう。
例えば何か犯罪が起こるとその罪を犯した人の家庭環境についての報道がなされます。「あんなに良い家族だったのになぜ」「あんなに良い子だったのになぜ」と言われ,自分たちの子育ては大丈夫かと不安になるものです。黒子のバスケ事件の被告の「最終意見陳述」を読んだりするとその不安はさらに増すでしょう。
【黒バス脅迫事件】実刑判決が下った渡邊被告のロジカルでドラマチックな『最終意見陳述』があまりにも切ない | かみぷろ
しかし,そんなことを考えて子育てしても仕方がありません。同じような環境であっても違った人生も歩む場合があり,それは家庭だけが人間形成における重要な要因ではないからです。だから勝手に心配することなく,今の自分のベストを尽くしていけばいいでしょう。
何が起きても「なんでもないこと」だと思う
子どもが床に牛乳をこぼしても「なんでもないこと」と思えれば,さっさと気持ちを切り替えて拭いてしまうことができます。そして,拭いてしまえばもう終わり。明日どころから,3分後には忘れてしまうような「なんでもないこと」になるのです。(158頁)
これは確かにそうなんですけど,結果的にそうなるのであって,事前に「なんでもないこと」だと思っていても,なかなかそういう対応はできないですよね。特に男の子は同じ子を繰り返すので…。ただそういう意識をもっていれば,ストレスの何割かは軽減されそうです。
迷った時は,どちらを選んでも大正解 !
デメリットばかりを考え,それを後悔していると,その選択が「失敗」になります。
選んだからには,こちらを選んだからこそ,いいことがたくさんやってきた。こちらを選んでよかったなあ,と思っていればいいのです。
これまでも,あなたが選んだものは,いつも全部正解だったのです。(166-167頁)
これは先ほどの心配ごとの話と同じです。自分が選んだものを正解だと思えば良いんですよ。人間は後悔する生き物ですから「あちらを選んでいれば…」と思うわけですが,そっちを選んでもうまくいくという保証はないということは覚えていくべきでしょうね。
「ないもの探し」をせず「あるもの満足」を
大人は「ないもの探し」がクセになっています。
何を見ても,何がやってきても,その口から出るのは感謝の言葉ではなく,まず文句,となってしまいやすい大人が多いのはそのためです。
「あるもの満足」。それは。言葉を変えれば,「本当は今,自分が幸せなのに気づく」ことです。
「ないもの探し」ばかりしていては,自分に今ある幸せに目を向けないことになってしまいます。そんな人は,本当は今のままでも十分幸せなのに,自分で勝手に不幸を探し,自分は不幸だとばかり言うようになってしまいます。
わが子に対しても,ぜひ「あるもの満足」の目を投げかけてやってほしいと思います。
それだけで,たくさんの感謝の気持ちと笑顔がやってくるはずです。
(175頁)
確かに足りないものって目が行くんですよね。人と比べないというのは簡単なようでとても難しいことです。現状で満足すること。これって諦めて受け入れることだと思います。諦めるって悪い印象がありますが,相手を受け入れて前に進んでいくという意味ではプラスの評価もできるのではないでしょうか。
さいごに
私達は様々なことを気にして子育てをしすぎではないでしょうか。そんなに気にして子育てするよりも,今の現状を受け入れ,子育てを楽しもうというスタンスが必要なのかもしれません。ただそうした子育ては自分の身体と心に余裕があるからできるというのもあります。だから気持ちの問題は確かに重要なのですが,その前提である子育てに対する社会制度をもっと充実してほしいなと思います。