これまでの放送
徳島県の西の県境、三好市です。
人口は、およそ3万人。
高齢者の占める割合は38%。
全国平均を大きく上回る自治体です。
若年世代が流出する中、町の経済は、高齢者の購買力に支えられてきました。
しかし今、その高齢者が減り始めています。
急増する空き家。
次々と取り壊しが行われています。
地域経済にも影を落としています。
JA職員
「お世話になります、農協です。」
JA職員
「農協に(年金の)振り込みをお願いします。」
地元の金融機関、JAでは個人預金がここ5年間で12億円以上減りました。
JA職員
「どんどん(高齢者が)減ってくると思う。
亡くなる方もいるし。
大変ですよね。」
中でも大きな影響を受けているのは、三好市の主要産業である介護や医療の事業者です。
この高齢者施設では、これまで常に満床だった部屋に空きが出るようになっています。
社会福祉法人 山城会 金丸正弘施設長
「(39室のうち)今は9室空いている状況です。」
「新たな入居者は?」
社会福祉法人 山城会 金丸正弘施設長
「まだ申し込みはありません。」
稼働率が、ここ数年大きく低下。
これまであった1,000万円ほどの利益がほとんどなくなってしまいました。
社会福祉法人 山城会 金丸正弘施設長
「これだけ入居者が落ち込んでいくのは、ちょっと考えてもみなかった。
経済的にも非常に危惧をしている状況にあります。」
三好市では、このままでは地域を維持することができなくなっていくのではないかと、強い危惧を抱いています。
黒川征一市長
「高齢者が減っていくなかで、長いこと続いたお店が閉店せざるを得ない。
ここは“限界集落”ではなくて、まさに“消滅集落”、“崩壊集落”です。」