奨学金返済苦深刻に 就職難背景、延滞金「消費者金融並み」
神戸新聞NEXT 3月29日(土)11時30分配信
就職難を背景に奨学金の返済に苦しむ若者が増えており、全国各地で弁護士や市民団体が支援活動に乗り出している。兵庫県でも昨年、「奨学金問題と学費を考える兵庫の会」が発足。深刻な相談が相次ぎ、数年の滞納で約100万円の利息・延滞金が請求された例もあった。(中部 剛)
奨学金を扱う日本学生支援機構によると、無利子・有利子を合わせ奨学金を貸与しているのは2012年度で134万人、過去10年で約1・5倍。特に有利子の増加が著しい。
これに伴い、未返済が増え、同機構の11年度調査では延滞している人のうち、39%が年収100万円未満、19%が無職・失業中など。不安定な雇用の影響がうかがえる。
兵庫の会は昨年から活動を始め、これまでに神戸・阪神地域などから16件の深刻な相談が寄せられている。
その一人、30歳代の男性は計約600万円の奨学金を借りた。専門学校を卒業したが、就職が決まらず、返済が滞った。昨秋、同機構に元金と延滞金などを合わせ、約300万円の支払いを求められ、うち100万円が延滞金と利息だった。
現在、男性の収入は月約20万円。約300万円を一括返済し、今後も月額2万7千円ずつ返済するが、「雇用不安が続く中、10%の延滞金はあまりにも高い」と困惑する。
兵庫の会は「奨学金が消費者金融並みになっている」と指摘。30日午後2時から神戸市中央区雲井通5の市勤労会館で、返済実態と問題点を考える集いを開く。奨学金問題対策全国会議事務局長の岩重佳治弁護士が講演する。参加費500円。
兵庫の会では随時、相談を受け付けている。事務局TEL078・362・1166、メールhy‐shougakukin@mbr.nifty.com
最終更新:3月29日(土)11時30分
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